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メディカルドクターへの転職は面接対策がカギ
MDの採用には面接が特に重視されます。臨床医は「先生」と呼ばれ、医療機関の中で特別な存在。そんな臨床医を一会社員として採用するわけですから、医師の人柄やコミュニケーションスキル、ビジネスマナーの有無などが厳しくチェックされて当然です。
もしプライドの高い臨床医だと「私の指示に従え」的な雰囲気がにじみ出てしまい、同僚や上司との間に軋轢が生じる可能性が高くなります。製薬会社での業務はトップダウンによるものではなく、チームプレイです。管理者としての立場はあっても、ボスとして威張り散らしていては部下や同僚が付いて来ません。
そこで「どれだけ一般企業で通用する人物なのか」「きちんとしたマナーや身だしなみは出来るのか」など、一企業人として仕事が出来るのかどうか厳しくチェックされます。常識があり連携して仕事が出来る人物かどうかを企業側が直接確認出来るのは面接だけ。MDとして転職出来るかどうかは面接に掛かっていると言っても決して過言ではありません。
面接でよくある質問
製薬会社での面接で良くある質問とはどのようなものなのでしょうか?
代表的なものをピックアップしましたのでご覧ください。
- 臨床医としての実績や印象に残った事を教えてください
- 臨床の現場を離れる事に不安や未練などはありませんか?
- 入職すると部下を管理する立場になりますが、どのようなリーダー像を描いていますか?
- 「先生」と呼ばれる事はなくなりますが、それについてどう思いますか?
また英語による面接(英文面接)では以下のよう事を良く聞かれます。
- 簡単に経歴を教えてください
- なぜ今の仕事を辞めて転職しようと考えているのですか?
- あなたの長所と短所を教えてください
- 弊社の事をどれくらい知っているのでしょうか?
- 5年先/10年先のビジョンを教えてください
- ストレスやプレッシャーの中でどのようにすれば効率的に働けると思いますか?
具体的な返答例や製薬会社別に重点的に聞かれる項目などについては、専任のコンサルタントと良くご相談ください。
リーダーとしてチームをまとめられるかどうかを見られる
製薬会社のMDとして採用されると部署の課長クラス(マネージャー)として迎えられるケースが多く、いきなりチームリーダーの役割を任されます。平社員やアシスタントの立場から下積みからのスタートとはなりません。それだけ責任が重いとも言えるため、リーダーとして組織をまとめられるかどうか人柄や人としての器がチェックされます。
面接中にノックもせずに部屋に入る、勝手に席を立る、スマホをいじる、何を話しているのか分かりにくい、挨拶もまともに出来ないような医師では、「協調性がない/リーダーとしての素養がない/コミュニケーションが取りにくい」と判断されてしまいます。そのため不安のある医師は面接に臨む前に一度シュミレーションを行い、改善しておいた方が良い点を指摘してもらう方が良いでしょう。
また外資系の製薬会社は様々な国籍の人たちと連携しながら仕事をするため、「中国人は嘘つきが多いから苦手/アメリカ人は声が大きいから嫌い」のような先入観を持っている医師も採用されにくくなります。外国人に関する偏見などを面接で吐き出すのは絶対にタブーです。
面接回数はどの程度?
製薬会社にもよりますが、面接に掛かる回数は約2~3回、時間は平日の夕方頃、面接場所は国内の本社(東京や大阪など)となっています。製薬会社は面接時間が約1時間と長めで、雑談的な内容に(くだけた雰囲気)なる事も多い傾向です。ただフランクな雰囲気で話が出来る状況であったとしても、試験官は医師が社風に合う人物かどうかを厳しくチェックしているため要注意。
フランクな雰囲気で話が出来るからと言って、なんでもかんでも話をしたり、前職の不満や愚痴を言うなどするとイメージダウンとなります。また、医師の場合は臨床からデスクワークへと大きなキャリアチェンジとなるため、試験官が「この人なら大丈夫だ」と思えるよう質問に対して的確に答える必要があります。
転職サイトによっては面接官の人柄の情報収集なども行ってくれる
転職サイトによっては、製薬会社で面接を担当する面接官の人柄などを教えてくれるところもあります。面接官が気さくで優しい雰囲気の方であればリラックスして話が出来ますが、厳しい口調やピリピリとした雰囲気の方だとかなり緊張してしまいます。
「面接官の〇〇さんはあまりユーモアを交えず、必要な質問だけで雑談は殆どしない」「面接官の〇〇さんは優しい雰囲気で雑談が好き。ただしくだけすぎるのは禁物」などの情報があれば、面接を受ける側も安心出来ますね。
面接の受け答えだけではなく、面接官の人柄など細かい情報まで収集してくれる転職支援サイトは質が高いと言えます。