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医師の退職は引き止められるケースが多いので覚悟が必要
全国的に医師不足は深刻で社会問題化しています。特に医師不足が深刻な僻地や離島に赴任してきた医師は神様のような扱いです。僻地や離島の医師は2,000~3,000万円と高年収が提示されるケースも多いのですが、人材を確保したいと言う医療機関側の事情が反映されています。
このように医療機関やエリアによっては医師確保のためにかなりの努力をしていますので、場合によってはすんなり辞められない可能性もあります。後任の医師が着任しないと辞められない、引継ぎが終わらないと退職できないなどのトラブルは起こり得ます。
また医療機関によっては、院長などの上司が「辞めないでくれ」と泣いて引き留めに掛かったり、逆に「5年もお世話になっておいて勝手に辞められるわけないだろう?」と脅されるなど医師の退職時には揉めるケースがあります。医師だけではなく看護師も人手不足のため、看護師も退職時にトラブルが起きると言う報告も聞きます。
医師の退職には困難が伴うケースが多いため、出来るだけ穏便に退職するための方法を第三者(転職支援サイトのコンサルタントなど)に事前に相談しておきましょう。
不平不満は絶対に言わないこと
職場を去りたい時は、何かしら不平不満があるものです。「給与が少なすぎる/残業や休出が多すぎる/施設が古すぎて設備も不十分」など言い出したらキリがないかもしれません。ただし、これら不満を同じ職場のスタッフに漏らすのは止めてください。
医師がつい口にした不平不満は看護師や看護助手などの医療スタッフによって、あっという間に院内に拡散されてしまいます。そんな噂を耳にした上司や院長はやはりいい気分にはならないでしょう。退職を考えている時は特に、職場に対する不満や愚痴は言わないようにしてください。退職理由が「病院や職場のせい」になってしまいます。
医師の退職時には「親の介護のため/引っ越しのため/転科のため病院を変わりたい」など自己都合の方が波風が立たないため、転職支援サイトのコンサルタントもこれら理由を薦めてきます。自己都合で辞めるためには、病院や職場の悪口や不満はタブー。どれだけ腹の立つ事があったとしても、辞めるつもりであれば何も言わずにいるのが得策です。
辞めるための明確な理由を用意すること
医師不足の昨今、医師が辞めるとなると職場内で様々なトラブルや軋轢が生じるのは仕方のない事です。けれど「仕方ない」と言っていては転職する事が出来ません。辞めるためには明確な理由を用意しましょう。
ただし、前述したように「院長と馬が合わない/残業代が出ない/医療設備が不十分」など病院や施設側の理由で辞めるとなると、不満をぶつけられた経営者側は納得出来ません。場合によっては「もっと給与を上げよう、残業代を出そう、休みを増やそう」など妥協案を提示して引き留めに掛かる可能性もあります。
そこで医師側は自己都合で辞めるようにしなければなりません。例えば以下のような理由であれば、病院や施設側は引き留めにくくなります。
- 結婚する/引っ越しをする
- 親や親族の介護が必要/子育てのため
- 開業のため/転科したいので病院を変わる必要あり
- 専門医を目指して転職/その他キャリアアップのため
引っ越しや介護、結婚、転科、開業、キャリアアップなど医師側の事情があると、病院側は泣き落としや脅しなどで引き留めにくくなります。特に専門医になるなどキャリアアップのために辞めるとなると「前向きな退職」となり、周囲は強く反発出来ません。これらの理由で辞めると言えば軋轢は生じにくいのです。
無理なく円満退職を目指そう
病院によっては「辞めてくれると本当に困る」ケースもあります。その場合は「1~2か月で辞める」など医師中心のスケジュールではなく、病院の都合を考えたスケジュールで対応する必要があります。
とある先生は、退職の医師を示してから実際に辞めるまでに半年以上掛かったケースもありました。後任の医師が着任し、引継ぎが完全に終わるまで辞められなかったのです。
長い間お世話になった職場の場合、後ろ足で砂を掛けて逃げるように辞める、そんな真似は出来ないものです。あくまでも円満退職を目指すのが理想です。